安倍内閣「集団的自衛権」の閣議決定を受け

小林順光 宗務総長が声明文

2014.7.8 日蓮宗新聞より







イラクに平和が訪れることを祈る日蓮宗の声明

 今、世界と日本国民の眼はイラクに注がれております。国連憲章や国際法を
蔑ろに して始められたこの戦争の、大義とも言うべき大量破壊兵器は未だ発見
されず、そればかりか、イラクでは連日尊い人命が失われ、ついに日本人外交
官も犠牲となり、現 地は泥沼化の様相を呈しています。
日蓮宗は、今年三月のイラク戦争勃発の危機に際して、「戦争により国土は荒
廃し、尊い人命は多数失われ、又それによって報復の為の戦争やテロが繰り
返されるだけで あります。」との戦争反対声明を発表しました。現在のイラクは、
この声明の予想した通りの状況となっています。

 私達は、全世界の人々を殺戮・破壊の苦しみに陥れた第二次世界大戦への
反省から、戦後、世界立正平和運動を展開して、世界平和を念願し続けてまい
りました。いかなる理由があろうとも、戦争と言う手段を認める事は出来ません。
まして、その事によって生じた事態に対し、更なる軍事的圧力を持って対処す
る事に、深い懸念と憤 りを禁じえません。
 日蓮聖人は時の幕府に対して、『立正安国論』を提出し、正しい宗教を立てて、
国を安んずる道を示されました。今、日本がイラクに行おうとしている事に、平和
とは何か、私達は強い疑問を感じています。
 世界の平和を築いてゆくその基本的理念を法華経におく日蓮宗は、聖徳太子
以来受け継がれてきた仏教的価値観を以って、世界に貢献する道を提唱する
ものであります。

 すべての国の人々の命を尊重し礼拝してゆく道こそ、日本のとるべき立場であり、
決 して軍事的圧力を行ってはなりません。イラクに対して、戦争の無い平和と、
安全で 安らぎの生活を、一日も早く取り戻すことができるよう願い、そのために、
私達は 「イラクが平和でありますように」との心からなる祈りを、広くよびかけて
ゆこうではありませんか。

平成十五年十二月八日 釈尊成道の聖日に

                                 日蓮宗宗務総長 岩間湛正